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血圧が高い

高血圧症に対する治療は予防医療です。
将来脳卒中や心筋梗塞、腎機能障害などを引き起こすリスクを減らすために、今は何の症状も無くとも適切に治療する必要があります。
高血圧症に対して正しい知識を身につけて頂き、効果的な食事運動療法を行い、必要であれば効果的で安全な薬物治療を行う。 
循環器専門医の立場から、これらの事を患者様の生活習慣に合うように提案致します。

●本当に高血圧なのか?

病院だけでなく、健康診断や人間ドックでの血圧測定では、どうしても緊張という要素が入り、血圧が高くなりがちです。いわゆる白衣高血圧です。

●家庭血圧測定

日本高血圧学会が推奨しているように、家庭血圧測定をすることが原則です。

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血圧計がない方は、この際購入するのもよいでしょう。2000円台から良いものが売っています。
家族の方も使えますし、健康管理には良いと思います。また、ABPM(自由行動下血圧測定)という一日血圧計を付けて、検査をする方法もあります。

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煩わしいと感じるかもしれませんが、非常に優れている面があります。
それは、夜間の血圧が下がっているかがとてもよく分かります。
また、白衣高血圧かどうかも分かります。

●高血圧による臓器障害の把握

高血圧かどうかが分かったら、次は発症時期がいつくらいなのかが問題です。
罹病期間が長いほど、臓器障害をきたしている可能性が高くなります。

●他の危険因子はどうなのか?

動脈硬化の危険因子が複数ある場合には要注意です。
肥満、高血糖、高コレステロール血症、血圧の上昇などは冠動脈疾患の危険因子といわれており、たとえそれぞれの程度が軽くても一人に重なると、冠動脈疾患の危険度が高くなることが知られています。
また、内臓脂肪の蓄積の疑いをあらわす腹囲の増大があり、脂質の異常、血圧の上昇、高血糖のうち2項目以上が重なった病態を「メタボリックシンドローム」と診断します。

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●2次性高血圧かどうか?

高血圧患者さんのうち約10%は二次性高血圧であるという報告があります

などがあります。
これらは診察、尿検査、血液検査、腹部エコーなどの検査で調べます。

治療について

高血圧はありふれた疾患ですが、当然、ただ薬を飲めばいいというわけではありません。 
そもそも本当に高血圧なのか?
ただ薬を飲むだけでいいのか?
当然そうではありません。
まずは何と言っても食生活の改善です。 
高血圧治療ガイドラインに示されている生活習慣の修正項目は以下の通りです。

塩分制限はとても重要です。

1日の塩分摂取量を6.0g/日まで落とさなければ、しっかりとした血圧低下の効果は期待できないとされます。
入院中の塩分制限食は、6.0g/日になっていますが、日常生活でこれを達成するのはなかなか大変なことです。
日本における塩分摂取量は1日10gを超えるとされています。(平成25年度の国民健康・栄養調査によると、成人の1日の食塩摂取量の平均値は、男性 11.1g、女性 9.4g であり、男女ともに、10 年間で 減少傾向にある。とされていますが、まだまだ多いです。)
少しでも塩分摂取量を控えれば、その程度に応じて血圧低下が期待できますので、少しずつでも減らすようにしましょう。しかし、極端な塩分制限は、特に高齢者では、かえって悪影響を及ぼすことがあるので、必ず医師と相談しながら行うのが望ましいです。

しかし、そもそも簡単に効果的な塩分制限などできません。診察時には現在の患者様の生活状況について詳しく問診を行い、実際の生活で実践できる事、役立つことを中心に効果的な塩分制限ができるようにお話をしていきます。その他2~6についても患者様の実際の生活でどうしていくべきかを具体例を挙げてご説明していきます。

目標値

日本高血圧学会の2019年のガイドラインによる目標値は下記の通りです。

薬物療法

食事運動療法により上記目標値に達しない場合には、薬物療法となります。

薬を飲み始めたら、ずっと飲まないといけないの?→詳しくはこちら

 

家庭血圧測定のすすめ

家庭血圧測定(まず自分で血圧を測定してみましょう。)

診察室で測定する血圧や、健康診断で測定した血圧、そのほか、例えばジムに行った時や献血をする際に測定する血圧などは、正確に測定できていても、その値だけで高血圧かどうかの判断をする事は難しい場合があります。家庭で朝起きてから一時間以内、排尿後に、朝食を取る前に1~2分間座って落ち着いてから測定する事が勧められています。

実際の血圧測定結果を見せて頂くと、かなり詳細なアドバイスを行う事ができます。また、なぜ家庭で朝の血圧を測るとよいのか? ということに関しても、循環器専門医の立場から詳細にご説明致します。

ABPM(自由行動下血圧測定)

24時間血圧計をつけて測定します。ABPM(自由行動下血圧測定)といいます。

腕に巻いて血圧を測るカフと、血圧を記録するために腰に装着する測定装置、2つをつないでいるチューブで構成されます。これを付けて1日を過ごし、60分ごとの血圧を自動的に記録します。
ABPMを実施するメリットとして、具体的には次のようなものがあります。

1.測定回数が増えるため、より実際に近い測定結果を得られます。
2.早朝高血圧や夜間高血圧、職場高血圧を含むストレス下(すとれすか)高血圧を見つけられます。
3.普段から血圧が高いのか、診察室で測る診察室血圧だけが高くなる白衣高血圧なのかを見分けられます。

ABPMは1日装着するので、面倒くさいと思うかもしれませんが、治療のために重要な情報を医師が知ることができ、得られるメリットはとても大きなものがあります。
医師の指示通りきちんと装着して測定してください。

人の血圧は24時間で変化しますが、寝ている間の血圧が高いとよくないのでそれを調べます。
また、早朝の血圧が高いとよくないので、それも調べる必要があります。

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